エキスパンションジョイントカバー


免震エキスパンションジョイント


免震エキスパンションジョイントの設計可動量について

(1)免震層の地震応答変位

免震層の地震応答変位
(ア) 建設省告示 第二千九号「免震構造物の構造方法に関する安全上必要な技術的基準を定める等の件」の第四第一項ニにより「免震層の設計限界変位は350mm以上であること。」とされています。

(イ) 国土交通省 国土技術政策総合研究所他編集の「免震建築物の技術基準解説及び計算例とその解説(平成16年改正告示の追加分−戸建て免震住宅を中心として−)」の「2.3.2 免震層の応答変位の確認」では「地震応答変位≦設計限界変位」とされています。

(ア)、(イ)より免震層の地震応答変位の最小値は350mmとなります。


(2)免震エキスパンションジョイントの設計可動量 標準例

「免震建築物の技術基準解説及び計算例とその解説(平成16年改正告示の追加分−戸建て免震住宅を中心として−)」の「2.3.2 免震層の応答変位の確認」では「免震層の地震応答変位+100mm≦上部構造と下部構造との水平距離」とされています。上部構造と下部構造との水平距離は「設計クリアランス寸法」を示しており、(1)で定めた免震層の地震応答変位350mmに100mmを足し、設計クリアランス寸法の最小値は450mmとなります。

「免震エキスパンションジョイントガイドライン」の「1.4用語 5)設計可動量」では免震エキスパンションジョイントの設計可動量は設計クリアランス寸法以上とされているため、これまでの弊社設計事例より、免震エキスパンションジョイントの設計可動量は600mm(免震−免震エキスパンションジョイントは1200mm)を標準例としました。

また、施工クリアランスは不確定性(施工誤差、乾燥収縮、温度伸縮、残留変位)を50mm考慮し、650mm(免震−免震エキスパンションジョイントは1250mm)としました。使用場所ごとに示す製品施工クリアランスは、基本的に650mm以上(免震−免震エキスパンションジョイントは1250mm以上)とします。

表1
図1記号 名称 @ 免震構造物の最小値 カネソウ標準例設計基準値
A 免震(MX) B免震−免震(WMX)
設計限界変位 350mm
免震層の地震応答変位 350mm
クリアランス 450mm 600mm 1200mm
設計クリアランス 450mm
設計可動量 450mm 600mm 1200mm
周囲の使用状況に応じた距離 100mm
水平クリアランスの不確定性 50mm 50mm
施工クリアランス 650mm 1250mm
○○製品施工クリアランス 650mm以上 1250mm以上
※A〜Iの詳細は、図1に示す。
※ ○○は屋根部、壁部(外壁)、天井部、壁部(内壁)、床部(屋内床)、床部(屋外床)の使用場所を示す。

図1


図2

※A〜Iの名称詳細は、表1に示す。
※ @は免震構造物の最小値、ABはカネソウ標準例設計基準値を示す。


(3)免震エキスパンションジョイント 標準品

本カタログ掲載の免震エキスパンションジョイントは標準例として、免震エキスパンションジョイントガイドラインに基づき、事前に振動台試験を行い性能を確認した設計可動量600mm(免震−免震エキスパンションジョイントは1200mm)の製品を標準品として掲載しております。

設計者のご依頼により、標準品以外の設計可動量の免震エキスパンションジョイントにもご対応させていただきます。
弊社までご相談ください。
一般社団法人日本免震構造協会発行「 免震エキスパンションジョイントガイドライン」
第2章 目標性能参照