ステンレス製品の『さび』について1


ステンレスは普通鋼やアルミニウムに比べて、はるかに耐食性に優れていますが、金や白金と違って絶対に『さび』ない金属ではありません。ステンレスの表面には薄くて緻密な酸化皮膜が存在しており、表面に傷がついてもすぐに再生されるため、『さび』を防ぐことができます。しかし、何らかの原因により、この酸化皮膜の再生が妨げられると、『さび』は発生します。

ステンレスの『さび』発生の原因となる物質や環境を下表に示します。
環境 原因
1 清掃薬剤、工場排ガス、自動車排ガス、温泉地帯、火山灰の降る地帯 硫黄酸化物が酸化皮膜を不安定にするため。
2 海岸地帯(海塩粒子)、貯水槽(減菌剤)、ゴミ焼却場近傍(塩ビ焼却ガス) 塩素イオンが酸化皮膜を破壊するため。
3 工場排ガス、自動車排ガス、建設工事現場近傍 ほこり、すすなどがステンレス表面に固着し酸素の共給を妨げ酸化皮膜を不安定にするため。
上記1,2の物質及び水分の付着点となりそれらの作用を助長するため。
4 鉄道沿線、鉄工所近傍、製鉄所近傍、建設工事現場近傍 鉄粉がステンレス表面に付着し、それ自身が『さび』るため。
またその『さび』が上記3と同様の作用をするため。