アルミニウム合金の質別記号について


アルミニウムおよびアルミニウム合金の質別記号は、JIS H 0001で規定されております。
質別とは、製造過程における加工・熱処理の違いによって得られたものの機械的性質の区分をいいます。

基本となる質別は、4区分で基本記号は下表のとおりです。
基本記号 定義 意味
F(2) 製造のままのもの 加工硬化又は熱処理について特別の調整をしない製造工程から得られるもの。
O 焼なまししたもの 展伸材については、最も軟らかい状態を得るように焼きなまししたもの。鋳物については、伸びの増加又は寸法の安定化のために焼なまししたもの。
H(3) 加工硬化したもの 適度の軟らかさにするための追加熱処理の有無にかかわらず、加工硬化によって強さを増加したもの。
T 熱処理によってF・O・H以外の安定な質別にしたもの 安定な質別にするため、追加加工硬化の有無にかかわらず、熱処理したもの。

2)展伸材については、機械的性能を規定しない。
3)展伸材だけに適用。

基本記号HおよびTには、さらに細分記号が決められております。
例えば、アルミニウム合金押出形材A6063S-T5の場合の質別記号は「T5」は、高温加工から冷却後人工時効硬化処理したものです。