溶融亜鉛めっき鋼板の黒変現象について


●黒変現象とは
黒変現象とは、亜鉛表層の極く薄い酸化膜の存在によって黒く見える現象です。
溶融亜鉛めっき鋼板(非合金タイプ)は製造直後でも亜鉛めっき表層にZnOを主体とする極く薄い酸化皮膜を形成していますが、これは時間の経過とともに変化成長していく性質を 持っています。黒変する現象のメカニズムは次のように推定されています。
@酸化膜が成長する
A酸化膜構造、厚みが変化する
BAの状態変化によって光の吸収率が変化する
C表面が黒く見える

●発生要因
素材製造条件、材料構成、環境などの条件によって酸化皮膜の変化成長の速度が変動し、黒変と認識されるまでに要する時間が変わりますが、一般的に高温多湿条件下で促進されることが分っています。

●防食性能
黒変現象は亜鉛めっき表層の酸化現象であるため、その部分の品質は黒く見える以外は正常品と同じです。

●グレーチング等の溶融亜鉛めっき品の場合
床板グレーチングのような溶融亜鉛めっき品においても、高温多湿条件下で黒変現象が発生することがあります。