労働安全衛生マニュアル（KS-Z201） ［第一版］

目　　次

１．会社概要 1.1 一般 1.2 社是・社訓 1.3 事業所 1.4 当社の製品 ２．一般 2.1 目的 2.2 適用範囲 2.3 適用規格 2.4 労働安全衛生マニュアルの管理 2.5 関連文書 ３．用語及び定義 ４．組織の状況 4.1 組織及びその状況の理解 4.2 働く人及びその他の利害関係者のニーズ及び期待の理解 4.3 労働安全衛生マネジメントシステムの適用範囲の決定 4.4 労働安全衛生マネジメントシステム ５．リーダーシップ及び働く人の参加 5.1 リーダーシップ及びコミットメント 5.2 労働安全衛生方針 5.3 組織の役割、責任及び権限 5.4 働く人の協議及び参加 ６．計画 6.1 リスク及び機会への取組み 6.2 労働安全衛生目標及びそれを達成するための計画策定 ７．支援 7.1 資源 7.2 力量 7.3 認識 7.4 コミュニケーション 7.5 文書化した情報 ８．運用 8.1 運用の計画及び管理 8.2 緊急事態への準備及び対応 ９．パフォーマンス評価 9.1 モニタリング、測定、分析及びパフォーマンス評価 9.2 内部監査 9.3 マネジメントレビュー １０．改善 10.1 一般 10.2 インシデント、不適合及び是正処置 10.3 継続的改善

1.　会社概要

1.1　一般

　当社では、鋳鉄、アルミニウム、ステンレス、スチールなどをはじめ各種多彩な素材による高品質で人にやさしい建築・防災・都市景観整備・環境・福祉・緑化関連製品を開発・製造・販売しており、各省庁をはじめ地方自治体、設計事務所、建設コンサルタントなどから指定されている。当社の歴史は、大正１１年に小林惣太郎により創業され、昭和54年に小林昭三によりカネソウ株式会社が設立された。創業時より『お客様本位』の思想を徹底して貫き、ニーズに即応する独自の製品開発、きめ細かな営業活動、各種素材の生産技術などにより建築・防災・都市景観整備・環境・福祉・緑化関連製品のトップメーカーとしての役割を果たしている。

1.2　社是・社訓

社是

• 覇道を行わず常に王道に順う

社訓

• 一．すべてに誠実であれ
• 一．仕事に厳しさを求めよ
• 一．和を貴び礼節を正せ
• 一．常に謙虚であれ

1.3　事業所

本　社	〒510‐8101　三重県三重郡朝日町大字縄生８１番地 　 電話 （059）377-3232　FAX （059）377-3905
東京支店	〒105−0004　東京都港区新橋六丁目９番５号ＪＢビルディング３Ｆ 　 電話 （03）3433-6645　FAX （03）3433-6637
大阪営業所	〒550−0005　大阪府大阪市西区西本町一丁目３番１０号信濃橋富士ビル１０Ｆ 電話 （06）7639-5870　FAX （06）7639-5880
仙台営業所	〒980−0804　宮城県仙台市青葉区大町一丁目1番８号第３青葉ビル９Ｆ 　 電話 （022）214-8088　FAX （022）214-8089
福岡営業所	〒812−0011　福岡市博多区博多駅前四丁目８番１５号博多鳳城ビル６Ｆ 　 電話 （092）432-2532　FAX （092）432-4976
朝日工場 （川越工場）	〒510−8101　三重県三重郡朝日町大字縄生８１番地 　 電話 （059）377-4747　FAX （059）377-5684＜JIS表示認定工場＞ （〒510−8125　三重県三重郡川越町北福埼１１５の１）

ホームページアドレス	https://www.kaneso.co.jp/
Ｅ−Ｍａｉｌアドレス	info＠kaneso.co.jp

1.4　当社の製品

当社が製造・販売する建築・防災・都市景観整備・環境・福祉・緑化関連製品は次の通りである。

建築・防災・都市景観整備・環境・福祉・緑化関連製品：

• ルーフドレン、エキスパンションジョイント、たてとい、玄関マット、床点検口、視覚障害者誘導用マーカー、ピット蓋、グリース阻集器、床排水金物、通気金物、上水道用鉄蓋・筐、マンホール・ハンドホール鉄蓋、下水道用鉄蓋、化粧鉄蓋、 車止め、樹木保護金物、みぞ蓋、グレーチングなど

2.一般

2.1　目的

　本労働安全衛生マニュアルは、当社におけるJIS Q 45001:2018、ISO 45001:2018 に適合した労働安全衛生マネジメントシステムに関する基本的事項を定め、これを確立維持することを目的とする。

2.2　適用範囲

本労働安全衛生マニュアルは、当社の労働安全衛生方針の実施・達成に関わる全ての活動に適用する。

• （１）対象範囲は、建築・防災・都市景観整備・環境・福祉・緑化関連製品の設計、開発及び製造並びに鋳鉄製品の製造までの業務とする。
• （２）適用サイトは1.3事業所とする。
• （３）対象者は働く人（代表者、従業員、準社員、パートタイマーを含む）とする。

2.3　適用規格

この労働安全衛生マネジメントシステムはJIS Q 45001:2018、ISO 45001: 2018 「労働安全衛生マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引」(以下、JIS Q 45001 という) を適用規格とする。

2.4　労働安全衛生マニュアルの管理

制定，改訂，審査，承認及び配付については「文書管理規程」に基づき実施する。

2.5　関連文書

文書管理規程（ＫＳ−Ｚ００５）

3.　用語及び定義

本労働安全衛生マネジメントシステムに関する用語は、JIS Q 45001で規定する定義を適用する。これらを含めて本労働安全衛生マニュアルにおいて、当社が用いる用語を以下に定義する。

（１）利害関係者（interested party）
• 顧客、コミュニティ、供給者、規制当局、NGO、投資家、従業員である。

（２）働く人（worker）
• 2.2(3)の適用範囲で定めた通りである。

（３）参加（participation）
• 意思決定への関与。安全衛生委員会の委員やその代表者として関与することも含める。

（４）協議（consultation）
• 意思決定をする前に意見を求めること。

（５）職場（workplace）
• 1.3の管理下にある場所で、人が労働目的で働いている場所、又は出向かなければな らない場所。

（６）労働安全衛生マネジメントシステム（occupational health and safety management system）
• 当社のマネジメントシステムの一部で、労働安全衛生をマネジメントし、方針及びそれに基づく目標を設定し、その目標を達成するために用いられるもの。

（７）労働安全衛生方針（occupational health and safety policy）
• 社長によって正式に表明された、労働安全衛生パフォーマンスに関する、当社の意図及び方向付け。

（８）労働安全衛生目標（occupational health and safety objective）
• 当社が設定する、労働安全衛生方針と整合が取れた目標。

（９）負傷及び疾病（injury and ill health）
• 人の身体、精神又は認知状態への悪影響。

（10）危険源（hazard）
• 負傷及び疾病を引き起こす潜在的根源。

（11）リスク(risk)
• 不確かさの影響。

（12）労働安全衛生リスク（occupational health and safety risk）
• 労働に関係する危険な事象が発生する又は有害なものに曝される可能性と、その事象によって生じ得る負傷及び疾病の重篤度の組合せ。

（13）労働安全衛生機会（occupational health and safety opportunity）
• 労働安全衛生パフォーマンスの向上につながり得る状況又は一連の状況。

（14）力量(competence)
• 意図した結果を達成するために、知識及び技能を適用する能力。

（15）労働安全衛生パフォーマンス(occupational health and safety performance)
• 働く人の負傷及び疾病の防止の有効性、並びに安全で並びに安全で健康的な職場の提供に関わる測定可能な結果。

（16）モニタリング(monitoring)
• システム、プロセス、又は活動の状況を明確にすること。

（17）インシデント(incident)
• 結果として負傷及び疾病を生じる可能性があるか、又は生じた、労働に起因する、又は労働の過程での出来事。負傷及び疾病から生じた事故。ヒヤリハット等を含む。

4. 　組織の状況

4.1　組織及びその状況の理解

　当社は、当社の目的や方向性に関連し、当社を取り巻く内外の様々な課題を明確にする。
また、課題に関する情報を監視し、レビューする。課題抽出については、下記について考慮する。

【外部課題】
• (a) 国際、国内、地方又は近隣地域を問わず、文化、社会、政治、法律、規制、金融、技術経済、自然の環境及び市場競争
• (b) 新たな競合企業、請負者、下請負者、供給者、提携先及び提供者の導入、新技術、新法、並びに新しい職場の登場
• (c) 製品についての新知識及びその安全衛生への影響
• (d) 当社への影響力を持つ産業又はセクターに関係するキードライバー及び傾向
• (e) 外部の利害関係者との関係、並びに外部の利害関係者の認識及び価値観
• (f) これらのいずれかに関わる変化

【内部課題】
• (a)ガバナンス、組織構造、役割及び説明責任
• (b) 方針、目標及びそれらを達成するために定める戦略
• (c) 資源、知識及び力量の観点から理解される能力（ex.資金、時間、人的資源、プロセス、システム、技術）
• (d) 情報システム、情報の流れ及び意思決定プロセス（公式／非公式）
• (e) 新しい製品、素材、サービス、ツール、ソフトウェア、施設及び設備の導入
• (f) 働く人との関係、並びに働く人の認識及び価値観
• (g) 当社の文化
• (h) 当社が採用する標準、指針及びモデル
• (i) 外部委託した活動を含む、契約関係の形式及び範囲
• (j) 労働時間に関する取り決め
• (k) 労働条件
• (l) これらのいずれかに関わる変化

4.2　働く人及びその他の利害関係者のニーズ及び期待の理解

• 　当社の労働安全衛生マネジメントシステムに関連する利害関係者を「図表1」に示す。
  　当社は、法規制などを含め、働く人及びその他の利害関係者が要求している事項を明確にし、順守する。それらの情報は常に入手できるようにし、また、その正確性についても検証する。
【図表1】「利害関係者一覧表」

利害関係者	具体的機関	ニーズ及び期待	法的要求事項／その他の要求事項
働く人	従業員（※1）	安全な就労現場の提供	労働安全衛生法 労働協約 三六協定締結事項 就業規則 職長教育 特別教育
働く人に関係者	家族	安全な就労現場の提供 適切な労働条件の提示	事故等緊急時の連絡
規制当局：国、県、市他	労働基準監督署	労基法に基づく届出事項 行政機関からの通達事項	労働安全衛生法
委託者	運送会社	安全な就労現場の提供 適切な労働条件の提示	労働安全衛生法 十分かつ適切な安全の配慮
請負者	協力会社 運送会社 （※2）	当社からの製作案件の受注	十分かつ適切な安全の配慮
得意先、来訪者	代理店等取引先関係者等	安全に業務に携われるよう安心な製品の製作 当社敷地内の安全の確保 工場構内を通行する際の安全の確保	取扱説明書の添付 危険個所の表示等
医療及びその他の地域サービス	消防署、病院	消防署・病院:事故時の迅速な通報・手配	病院への緊急時搬送

※1 従業員とは、取締役、パートタイマー等、全社員をさす。
※2 運送会社とは、当社が契約している一部の運送会社をさす。

4.3　労働安全衛生マネジメントシステムの適用範囲の決定

• 　当社は、労働安全衛生マネジメントシステムの適用範囲を、本マニュアル「2.2　適用範囲」に定める。本マニュアルは公開し、利害関係者が入手できるようにする。

4.4　労働安全衛生マネジメントシステム

• 　当社は、JIS Q 45001：2018，ISO 45001：2018の要求事項に従って労働安全衛生マネジメントシステムを確立し、文書化し、実施し、維持し、継続的に改善し、労働安全衛生マニュアルを周知徹底，順守することにより、これらの要求事項を満たし、労働安全衛生パフォーマンスを向上する。

• ※関連文書
  ・リスクアセスメント実施要領書
  ・リスクと機会の一覧表

5.　リーダーシップ及び働く人の参加

5.1　リーダーシップ及びコミットメント

（１）代表取締役社長
• 社長は、次の事項により労働安全衛生マネジメントシステムに関するリーダーシップ、及びコミットメントを実証する。
• （ａ）労働に関する負傷・疾病を防止すること、及び安全で健康的な職場と活動を提供することに対する全体的な責任及び説明責任を負う。
• （ｂ）労働安全衛生方針を策定し、リスクアセスメント実施体制にて労働安全衛生方針に基づいた労働安全衛生目標の設定を行うように指示する。
• （ｃ）当社の事業プロセスと労働安全衛生マネジメントシステム要求事項を統合させる。
• （ｄ）労働安全衛生マネジメントシステムの継続的改善のため、必要な経営資源（要員、教育訓練、設備改善等「7.1支援」参照）を利用できるようにする。
• （ｅ）有効な労働安全衛生マネジメント及び労働安全衛生マネジメントシステム要求事項への適合の重要性を伝達する。
• （ｆ）労働安全衛生マネジメントシステムがその意図した成果を達成することを確実にする。
• （ｇ）労働安全衛生マネジメントシステムの有効性に寄与するよう人々を指揮し、支援する。
• （ｈ）継続的改善を促進する。
• （ｉ）推進者がその責任の領域においてリーダーシップを実証するよう、管理層の役割を支援 する。
• （ｊ） 労働安全衛生マネジメントシステムの意図した成果を支援する文化を社内で形成し、主導かつ推進する。
• （ｋ） 働く人がインシデント、危険源、リスク及び機会の報告をするときに報復から擁護する。
• （ｌ） 働く人の協議及び参加のプロセスを確立し、実施することを確実にする。
• （ｍ） 安全衛生に関する委員会の設置及び委員会が機能することを支援する。

（２）労働安全衛生管理責任者
• 　社長は労働安全衛生マネジメントシステムの労働安全衛生管理責任者を自社の管理職の中から任命し、他の責任と関わりなく次の事項について責任と権限を与える。
• （ａ）本労働安全衛生マニュアルの規定事項を履行し、労働安全衛生マネジメントシステムに必要なプロセスを確立し、実施、維持を行う。
• （ｂ）労働安全衛生マネジメントシステムの実施状況及び改善の必要性の有無について、随時社長に報告する。
• （ｃ）社内コミュニケーション及び教育・訓練を通じて、組織全体に規格要求事項に対する認識を深めさせる。
• （ｄ）労働安全衛生システムに関する事項について、外部（審査登録機関を含む）との連絡窓口を担当すること。

5.2　労働安全衛生方針

　社長は、当社の労働安全衛生方針を定め、労働安全衛生マネジメントシステムの定めた範囲で、労働安全衛生方針が次の事項を満たすことを確実にする。当社の労働安全衛生方針は、次頁に示す。

• （１）労働に関係する負傷及び疾病を防止するために、安全で健康的な労働条件を提供するコミットメントを含み、当社の目的、規模及び状況に応じて、労働安全衛生リスク及び労働安全衛生機会の固有の性質に対して適切である。
• （２）労働安全衛生目標の設定及びレビューのための枠組みを与えること。
• （３）当社に適用される労働安全衛生法をはじめとする労働関連法令や、その他要求事項を満たすことをコミットする。
• （４）危険源を除去し、労働安全衛生リスクを低減するコミットメントを含む。
• （５）労働安全衛生パフォーマンス向上のために労働安全衛生マネジメントシステムを継続的に改善することをコミットする。
• （６）働く人の協議及び参加へのコミットメントを含む。

経営ビジョン・ミッション

１．ミッション「快適をかたちに」

２．成長・お客様本位・社会貢献

３．ステークホルダーとの適切な協働

４．企業倫理・法令順守

５．無事故・無災害・「危機管理」・「リスク管理」

６．働き方改革

７．会社維持、成長に係る人材育成・教育・訓練

８．自己研鑽について

９．担当者への権限委譲

１０．「支援」・「モニタリング−監視」

１１．自律的に変革する組織風土、企業家型・競争原理型の組織文化の醸成

労働安全衛生方針 （ISO45001）

　無事故・無災害を最優先として、安全管理意識を常に高く持ち、危機源の洗い出しを全社で行い、リスク管理を徹底し、その対策を実行します。
　安全に、安心して働くことの出来る綺麗な会社、工場づくりを目指します。

１．労働安全衛生関係法令、協定、社内規程を遵守します。

２．当社で働く全ての人の安全と健康を保持する為に、リスクアセスメントを実施し、リスクの除去・低減を図り、快適な職場づくりを推進します。

３．積極的なコミュニケーションを図り、全員参加の労働安全衛生を実行し、安全衛生文化を醸成します。

４．労働安全衛生マネジメントシステム及びパフォーマンスを継続的に改善します。

−本方針は公開するものである−

代表取締役社長 　豊田悟志 令和５年 ９月 １日

5.3　組織の役割、責任及び権限

　社長は、労働安全衛生マネジメントシステムを確立し、実施し、維持し、改善するために不可欠な資源を確実に利用できるようにする。この資源には、人的資源及び専門的な技能、組織のインフラストラクチャー、技術並びに資金を含む。効果的な労働安全衛生マネジメントを実施するために、役割，責任及び権限を次の（１）〜（４）に示し、周知する。

（１）労働安全衛生管理責任者の任命
• 　社長は、労働安全衛生管理責任者を任命し、その管理責任者は、次の事項に関する定められた役割，責任及び権限を、他の責任に関わりなく持つ。
• （ａ）労働安全衛生マニュアルに従って、労働安全衛生マネジメントシステムが確立され、実施され、維持されることを確実にする。
• （ｂ）改善のための提案を含め、レビューのために、社長に対し労働安全衛生マネジメントシステムのパフォーマンスを報告する。

（２）組織図
• 　当社における労働安全衛生マネジメントシステム組織を次頁に定める。

（３）責任と権限
• 　労働安全衛生に関する主要な責任及び権限を以下に定める。なお各部門共通事項につい ては（ｅ）、推進者については（ｆ）、管理課の責任と権限を（ｇ）に定める。

（ａ）代表取締役社長
• （ア）労働安全衛生方針を定める。
• （イ）労働安全衛生管理責任者を任命する。
• （ウ）労働安全衛生マネジメントシステムの見直しを行う。
• （エ）緊急事態発生時、会社全体の総指揮をとる。
• （オ）要員，所定の技能，技術及び資金の経営資源を確保する。
• （カ）労働安全衛生マニュアル，規程を承認する。
• （キ）内部監査員を任命する。
• （ク）内部監査員に特別監査の実施を指示する。

（ｂ）労働安全衛生管理責任者
• （ア）JIS Q 45001規格の要求事項に適合した労働安全衛生マネジメントシステムを確立、実施、維持、管理する。
• （イ）各部の「年度 部署別 労働安全衛生方針目標展開計画書」を承認する。
• （ウ）労働安全衛生マニュアル及び規程の審査を行う。
• （エ）順法性を定期的に評価する。
• （オ）関連部門と協議し、不適合の是正処置を行う。
• （カ）内部監査計画を承認する。
• （キ）見直しのため及び労働安全衛生マネジメントシステムの改善の基礎として、労働安全衛生マネジメントシステムの運営状況に関して社長に報告する。

（ｃ）事務局
• （ア）労働安全衛生マニュアル及び規程の作成、見直しを行う。
• （イ）「リスク及び機会の一覧表」の作成。
• （ウ）「法規制等登録簿」の作成、モニタリング。

（ｄ）内部監査員
• （ア）内部監査の計画を作成する。
• （イ）労働安全衛生管理責任者の承認を得た内部監査計画に基づいて、内部監査を実施する。
• （ウ）社長、労働安全衛生管理責任者、推進者に監査結果を報告する。
• （エ）是正処置の確認を行う。
• （オ）社長の指示に従い特別監査を実施する。

（ｅ）各部門共通事項
• （ア）「年度 部署別 労働安全衛生方針目標展開計画書」の作成 。
• （イ）自部門のヒヤリ・ハット報告、「ガイドワードによる危険源の洗い出し表」、「機械・設備・作業のリスク評価表（マトリックス手法含む）」、「リスク評価基準（マトリックス手法含む）」を策定、実行、検証、是正を行う。
• （ウ）内部監査結果の確認と是正処置。
• （エ）「年度 安全衛生計画」の実施。
• （オ）法規制等を含む順守義務を満たすこと。

（ｆ）推進者
• 各部門共通事項（ア）〜（オ）の取り纏めを行う。

（ｇ）管理課
• （ア）「年度 安全衛生計画」の作成。
• （イ）安全衛生委員会の議題、議事録作成。
• （ウ）健康診断、メンタルヘルスの策定、実行、診断結果の検証を行う。
• （エ）労働時間管理。
• （オ）社有車の保全管理、教育。
• （カ）緊急事態の未然防止と発生時の影響回避・軽減処置の指揮・実行を行う。
• （キ）行政機関への必要な届出実務。
• （ク）社内外の労働安全衛生情報の伝達・広報。

（ｈ）安全衛生委員会
• （ア）「年度 安全衛生計画」の承認。
• （イ）安全パトロールの実施。
• （ウ）リスク低減措置の決定及び実施。

（ｉ）安全管理者
• （ア）建設物、設備、作業場所、または作業方法に危険がある場合における応急処置、または適当な防止の措置。
• （イ）安全装置、保護具、消火設備、その他危険防止施設の定期的点検、及び整備。
• （ウ）安全作業に関する教育及び訓練。
• （エ）発生した災害原因の調査及びその対策。
• （オ）消防及び避難の訓練。
• （カ）危険防止係員、火元責任者その他安全に関する補助者の監督。
• （キ）安全に関する重要事項の記録及びその保存。

（ｊ）衛生管理者
• （ア）健康に異状のある者の発見及び措置。
• （イ）労働安全衛生に関する調査。
• （ウ）作業条件、施設等の衛生上の改善。
• （エ）衛生用保護具、救急用具等の点検及び整備。
• （オ）衛生教育、健康相談、その他従業員の健康保持のために必要な事項。
• （カ）危険防止係員、火元責任者その他安全に関する補助者の監督。
• （キ）安全に関する重要事項の記録及びその保存。

（ｋ）産業医
• （ア）健康診断の実施とその結果に基づく措置。
• （イ）長時間労働者に対する面接指導・その結果に基づく措置。
• （ウ）ストレスチェックとストレスチェックにおける高ストレス者への面接指導、その結果に基づく措置。
• （エ）作業環境の維持管理。
• （オ）作業管理。
• （カ）上記以外の労働者の健康管理。
• （キ）健康教育、健康相談、労働者の健康の保持増進のための措置。
• （ク）衛生教育。
• （ケ）労働者の健康障害の原因の調査、再発防止のための措置。

（４）役職者会議
• 　役職者会議において社長は経営方針の説明，各部門長は部門別経営方針の説明を行い、意志の統一を図ると共に理解を得る。管理責任者は労働安全衛生パフォーマンスの報告を行う。

（５）関連文書
• 　内部コミュニケーション規程（ＫＳ−Ｚ１０５）

5.4　働く人の協議及び参加

　労働安全衛生管理責任者、事務局、各部門は、労働安全衛生マネジメントシステムの開発、計画、実施、パフォーマンス評価及び改善のための処置について、適用可能な全ての階層及び部門の働く人との協議及び参加のためのプロセスを確立し、実施し、かつ維持する。
　具体的には、安全衛生委員会、部署ミーティング、朝礼等が、働く人の協議及び参加の機会・場となる。

6.　計画

6.1　リスク及び機会への取組み

6.1.1　一般

　当社は、6.1.1〜6.1.4に規定する要求事項を満たすために必要なプロセスを確立し、実施し、維持する。労働安全衛生マネジメントシステムの計画を策定するとき、次の（１）〜（３）を考慮し、


• （１）4.1で明らかにした課題
• （２）4.2で明らかにした要求事項
• （３）労働安全衛生マネジメントシステムの適用範囲
　次のために取り組む必要がある、危険源、労働安全衛生リスク及びその他のリスク、労働安全衛生機会及びその他の機会、法的要求事項及びその他の要求事項を考慮に入れ、リスクおよび機会を決定する。


• ・労働安全衛生マネジメントシステムが、その意図した成果を達成できるという確信を与える。
• ・望ましくない影響を防止又は低減する。
• ・継続的改善を達成する。
　当社は、計画プロセスにおいて、組織、組織のプロセス又は労働安全衛生マネジメントシステムの変更に付随して、労働安全衛生マネジメントシステムの意図した成果に係るリスク及び機会を決定し、評価する。永続的ないしは暫定的かに関わらず、計画的な変更の場合には、変更を実施する前にこの評価を行う

　当社は、次に関する文書化した情報を更新して維持する。


• ・取り組む必要のあるリスクと機会。
• ・必要なプロセスが計画通りに実施されたという確信を持つために必要な程度のそれらのプロセス。

6.1.2　危険源の特定並びにリスク及び機会の評価

6.1.2.1　危険源の特定

　各部門の推進者は、危険源を現状において及び先取りして特定するためのプロセスを確立し、実施し、かつ維持する。具体的には、「リスクアセスメント実施要領書」に基づき、ヒヤリ・ハット報告、「ガイドワードによる危険源の洗い出し表」を用いて危険源を特定の上、リスクアセスメントを行う。
　プロセスは、当社として考え得る全ての事項を含め、プロセス管理表に定める。
プロセス管理表は適宜見直し、更新・維持する。

6.1.2.2　労働安全衛生リスク及び労働安全衛生マネジメントシステムに対するその他のリスクの評価

　当社はスキームを策定した次の事項のためのプロセスを確立し、実施し、かつ、維持する。

• （ａ）既存の管理策の有効性を考慮に入れた上で、特定された危険源から生じる労働安全衛生リスクを評価する。具体的には、各部門の推進者は、労働安全衛生リスクに関し、「リスクアセスメント実施要領書」に基づき、ヒヤリ・ハット報告、「ガイドワードによる危険源の洗い出し表」を用いて危険源を特定の上、リスクアセスメントを行う。
• （ｂ）労働安全衛生マネジメントシステムの確立、実施、運用及び維持に関係するその他のリスクを決定し、評価する。対応すべきリスクを「リスク及び機会の一覧表」にて決定し、評価する。
　労働安全衛生に関するリスクアセスメントについては、問題が起きてから対応するのではなく、事前に、かつ、体系的な方法で行うことを確実にするため、労働安全衛生リスクの範囲、性質及び時期の観点から決定する。このリスクアセスメントの方法は、「リスクアセスメント実施要領書」にて定め維持し、同要領書、最終頁の改訂表に記録し、保管する。

6.1.2.3　労働安全衛生機会及び労働安全衛生マネジメントシステムに対するその他の機会の評価

労働安全衛生管理責任者及び事務局は、次の事項を評価するためのプロセスを確立し、実施し、かつ維持する。

• （ａ）当社の組織、方針、そのプロセス又は当社の活動の計画的変更を考慮に入れた労働安全衛生パフォーマンス向上の労働安全衛生機会、及び、
  • （１）作業、作業組織及び作業環境を働く人に合わせて調整する機会
  • （２）危険源を除去し、労働安全衛生リスクを低減する機会
  について、「安全パトロール」、「安全衛生委員会」、「部署ミーティング」等にて状況を報告、共有し、評価する。
• （ｂ）労働安全衛生マネジメントシステムを改善するその他の機会について、リスクと同様、当社の“機会”“脅威”について、労働安全衛生管理責任者、事務局、各部門の推進者により、対応すべき取組みを「リスク及び機会の一覧表」にて決定し、マネジメントレビューにて代表取締役社長に報告する。

6.1.3　法的要求事項及びその他の要求事項の決定

　当社は、次の事項に関するプロセスを確立し、実施し、維持する。

• （ａ）当社の危険源、労働安全衛生リスク及び労働安全衛生マネジメントシステムに適用
  される最新の法的要求事項及びその他の要求事項を決定し、入手する。
• （ｂ）これらの法的要求事項及びその他の要求事項の各部門への適用方法、並びにコミュニケーションする必要があるものを決定する。
• （ｃ）当社の労働安全衛生マネジメントシステムの確立-実施-維持及び継続的改善をする際、これらの法的要求事項及びその他の要求事項を考慮に入れる。
　事務局は、法的要求事項及びその他の要求事項に関する「法規制等登録簿」を作成し、法改正や条例の施行等をWebサイト等にて適宜モニタリングし、必要に応じ見直し更新 して維持する。

6.1.4　取組みの計画策定

• （１）当社は、次の事項について具体的な取り組みの計画を行う
  • （ａ）次の事項を実行するための取組み
    • �@決定したリスク及び機会への対処
    • �A法的要求事項及びその他の要求事項への取り組み
    • �B緊急事態への準備及び対応
  • （ｂ）次の事項を行う方法
    • �@これらの取り組みの労働安全衛生マネジメントシステムのプロセス、又はその他の事業プロセスへの統合及び実施
    • �Aその取組みに関する有効性の評価
• （２）リスク及び機会
  　特定したリスク及び機会は、各部の労働安全衛目標策定の際、考慮に入れ、計画的に取り組み、その有効性は、内部監査及びマネジメントレビューで確認する。
• （３）関連文書
  　リスクと機会の一覧表
  　法規制等登録簿

6.2　労働安全衛生目標及びそれを達成するための計画策定

6.2.1　労働安全衛生目標

当社は、労働安全衛生マネジメントシステム及び労働安全衛生パフォーマンスを維持及び継続的に改善するために、各部門において労働安全衛生目標を設定する。具体的には管理課にて策定した、「年度 安全衛生計画」に基づき、以下の事項を満たす「年度 部署別 労働安全衛生方針目標展開計画書」を、各推進者は作成する。
• （ａ）労働安全衛生方針と整合がとれている。
• （ｂ）目標達成度が測定可能である、またはパフォーマンス評価が可能となる目標を策定する。
• （ｃ）適用される要求事項、リスク及び機会の評価結果、働く人との協議結果を考慮に入れる。
• （ｄ）モニタリングする。
• （ｅ）部署内に伝達する。
• （ｆ）必要に応じて更新する。

6.2.2　労働安全衛生目標を達成するための取組みの計画

• （１）各推進者は、労働安全衛生目標を達成するために「年度 部署別 労働安全衛生方針目標展開計画書」を作成する際、次の事項を決定する。
  • （ａ）実施事項
  • （ｂ）必要な資源
  • （ｃ）責任者
  • （ｄ）達成期限
  • （ｅ）労働安全衛生目標の進捗状況をモニタリングする指標を含めた結果の評価方法
  • （ｆ）労働安全衛生目標を達成するための取組みを当社の事業プロセスに統合する方法
  　各推進者は、自らが設定する労働安全衛生目標の達成計画及び実施事項について、担当部門の業務として計画し実施する。
  　各推進者は、労働安全衛生方針に基づき設定した労働安全衛生目標を文書として維持し、作成した「年度 部署別 労働安全衛生方針目標展開計画書」を文書として維持し、かつ計画に基づき運用した実績等を記載した記録を保持する。
• （２）関連文書
  方針管理規程（ＫＳ−Ｚ０２１）

7.　支援

7.1　資源

　社長は、労働安全衛生マネジメントシステムを確立、実施、維持及び継続的改善に必要な資源を確実に利用できるようにする。この資源には、人的資源及び専門的な技能，組織のインフラストラクチャー，技術並びに資金を含む。

7.2　力量

当社は、労働マネジメントシステムに関わる力量，教育訓練について以下に定める。
• （１）力量
  　当社は、労働安全衛生のパフォーマンスに影響がある業務に従事している、および順守義務を満たす当社の能力に影響を与える業務を行う働く人に必要な力量を定める。当社で実施する又は当社のために実施する全ての働く人について、「教育・訓練規程」に定め、適切な教育・訓練歴又は経験に基づき、労働安全衛生管理責任者が認定する。
  （２）教育訓練
  　当社は、適切な教育、訓練、経験に基づいて、働く人が危険源を特定する能力を含めた力量を備えることを確実にする。必要な教育、免許、技能講習等の一覧について、kintoneの「社員保有資格・スキル管理」にまとめる。
  （３）教育・訓練実施手順
  　教育・訓練計画を予め立案し、「教育・訓練規程」に定める承認者がその計画について確認し、承認する。その後、計画に基づき、教育・訓練を実施する。
  　教育・訓練の結果の有効性を評価し記録する。
  （４）記録
  各部は教育・訓練の結果を「教育記録」に記録する。
  　管理部は能力認定の結果をkintoneの「社員保有資格・スキル管理」に記録し、保管する。
  （５）関連文書
  　教育・訓練規程（ＫＳ−Ｚ０１８）

7.3　認識

　当社は、当社で勤務する一人一人が次の事項に関して認識するように教育を含めて周知する。
• （ａ）労働安全衛生方針及び労働安全衛生目標
• （ｂ）労働安全衛生パフォーマンスの向上により得られる便益を含む、労働安全衛生マネジメントシステムの有効性に対して自身が貢献できること
• （ｃ）労働安全衛生マネジメントシステム要求事項に適合しないことの意味及び起こり得る結果
• （ｄ）働く人に関連するインシデント及びその調査結果
• （ｅ）働く人に関連する危険源、労働安全衛生リスク及び決定した取組み
• （ｆ）働く人が生命又は健康に切迫して重大な危険があると考える労働状況から、働く人が自ら逃れることができること及びそのような行動をとったことによる不当な結果から保護されるための取り決め

7.4　コミュニケーション

7.4.1　一般

　当社は、次の事項の決定を含む、労働安全衛生マネジメントシステムに関連する内部及び外部コミュニケーションに必要なプロセスを確立し、実施し、維持する。
• （ａ）コミュニケーションの内容
• （ｂ）コミュニケーションの実施時期
• （ｃ）コミュニケーションの対象者
  • 1.各部門内に対して
  • 2.請負者及び来訪者に対して
  • 3.他の利害関係者に対して
• （ｄ）コミュニケーションの方法

7.4.2　内部コミュニケーション

• （１）社内における労働安全衛生マネジメントシステムの推進上、必要事項及び労働安全衛生マネジメントシステムに関する情報及びコミュニケーションについては、「内部コミュニケーション規程」に基づき行う。
• （２）コミュニケーションプロセスが、継続的改善への働く人の寄与を可能にすることを確実にする。
• （３）関連文書
  　内部コミュニケ−ション規程（ＫＳ−Ｚ１０５）

7.4.3　外部コミュニケーション

• （１）当社は、コミュニケーションプロセスによって確立した通りかつ法的要求事項及びその他の要求事項を考慮に入れ、労働安全衛生マネジメントシステムに関する情報について、外部コミュニケーションを行う。
  　また順守義務については、「外部対応規程」に基づいて特にコミュニケーションプロセスを検討、実施し、結果を記録する。
• （２）関連文書
  　外部対応規程（ＫＳ−Ｚ１０６）

7.5　文書化した情報

7.5.1　一般

当社は、規格要求事項を含め、労働安全衛生マネジメントシステムを実行及び管理するために必要な文書体系を以下に定め、労働安全衛生マネジメントシステム文書には次の事 項を含める。
• （ａ）ISO 45001：2018が要求する文書及び記録
• （ｂ）労働安全衛生マネジメントシステムの有効性のために必要であると当社が決定した文書及び記録
　 ※文書及び記録の程度は、各部門の業務内容及び活動、製品及びサービス、法的順守事項及びその他の要求事項を満たしていることを実証する必要性、プロセス及びその相互作用の複雑さ、働く人の力量を考慮する。

文書体系を以下に示す。

• （ｃ）労働安全衛生マネジメント文書には、次の事項を含めることとする。

項　目	文　書　名
(ａ) 労働安全衛生方針、労働安全衛生目標	・労働安全衛生マニュアル ・労働安全衛生方針目標展開 計画書
(ｂ) 労働安全衛生マネジメントシステムの適用範囲の記述	労働安全衛生マニュアル
(ｃ)労働安全衛生マネジメントシステムの主要な要素、それらの相互作用の記述，並びに関係する文書の参照	労働安全衛生マニュアル
(ｄ) この規格が要求する、記録を含む文書	労働安全衛生マニュアル
(ｅ)緊急自体対応プロセスに関係するプロセスの効果的な計画、運用及び管理を確実に実施するために、組織が必要と決定した、記録を含む文書	・kintone ・緊急事態発生状況記録 ・定期訓練計画等

労働安全衛生マニュアルと関連規程の対応表

労働安全衛生マニュアルの項	関　連　規　程　名
５.３	内部コミュニケーション規程(ＫＳ−Ｚ１０５)
６.２.２	方針管理規程(ＫＳ−Ｚ０２１)
７.２	教育・訓練規程(ＫＳ−Ｚ０１８)
７.４.２	内部コミュニケーション規程(ＫＳ−Ｚ１０５)、外部対応規程(ＫＳ−Ｚ１０６)
７.５.３	文書管理規程(ＫＳ−Ｚ００５)、 環境・労働安全衛生記録管理規程(ＫＳ−Ｚ１１１)
８.２	緊急時規程(ＫＳ−Ｚ１０８)
９.２	内部監査規程(ＫＳ−Ｚ０１７)
９.３	環境・労働安全衛生マネジメントシステム見直し規程(ＫＳ−Ｚ１１２)

7.5.2　作成及び更新

　 文書化した情報を作成及び更新する際、次の事項を行う。
• （１） 適切な識別及び記述（タイトル、日付、作成者、参照番号など）
• （２） 適切な形式（言語、ソフトウェアの版、図表）及び媒体（紙、電子媒体）
• （３） 適切性及び妥当性に関する、適切なレビュー及び承認

7.5.3　文書化した情報の管理

• （１）文書の変更の識別及び現在の改訂版の識別は、文書内又は「文書管理台帳」、「フォーマット管理台帳」にて明確にする。
• （２）該当する文書の適切な版が、必要なときに、必要なところで使用可能な状態にあることを確実にするため、配付先を文書内又は「文書管理台帳」、「フォーマット管理台帳」に明確にし、配付管理を行う。
• （３）文書が読みやすく、容易に識別可能な状態であることを確実にする。
• （４）廃止文書が誤って使用されないように廃棄する。何らかの目的で廃止文書を保持する場合には、「参考用保管」の表示を行う。
• （５）労働安全衛生記録は、「環境・労働安全衛生記録管理規程」に基づき、それぞれの保管期間に従い保管し、保管期間終了後、廃棄の手順に従い廃棄を行う。
• （６）労働安全衛生記録は読みやすく、識別可能であり、関連した活動等について、記録名がわかるよう識別表示し、容易に検索できる方法で保管する。また、損傷、劣化、紛失を防ぎ、容易に追跡できるように保管・管理する。
• （７）外部の文書をそのまま利用する場合、「外部文書管理台帳」に明確にし、配付管理を行う。
• （８）関連文書
  　文書管理規程（ＫＳ−Ｚ００５）
  　環境・労働安全衛生記録管理規程(ＫＳ−Ｚ１１１)

8.　運用

8.1　運用の計画及び管理

8.1.1　 一般

　各推進者は、労働安全衛生マネジメントシステムの要求事項を満たすために必要なプロセス、並びに6.計画で決定した取組みを実施するために、「年度 部署別 労働安全衛生方針目標展開計画書」の策定で特定した取組みを実施するために必要なプロセス活動を計画、実施、管理し、維持する。
　また、事務所及び工場全域における危険源の特定と、これらによるリスクを見積もり、リスクを除去又は低減するために必要な措置を検討、実施するために、「リスクアセスメント実施要領書」に基づき、リスクアセスメントを実施する。
　計画、実施、管理されるプロセスは、その運用基準を設定し、運用基準に従った管理を実施し、働く人に合わせた作業の調整をする。

8.1.2　危険源の除去及び労働安全衛生リスクの低減

　各推進者は、次の管理策の優先順位によって、危険源の除去及び労働安全衛生リスクを低減するためのプロセスを確立し、実施し、維持する。
• （ａ）危険源を除去する
• （ｂ）危険性の低いプロセス、操作、材料、又は設備に切り替える
• （ｃ）工学的対策を行う及び作業構成を見直しする
• （ｄ）教育訓練を含めた管理的対策を行う
• （ｅ）適切な個人用保護具を使う。個人用保護具は働く人に無償支給する
　これらの対策を考慮した上で、危険源の除去及びリスクアセスメントについて、「リスクアセスメント実施要領書」に基づき、「機械・設備・作業のリスク評価表」を用いて労働安全衛生リスク低減活動を全員で実施する。

8.1.3　変更の管理

　各推進者は、次の事項を含む、労働安全衛生パフォーマンスに影響を及ぼす、計画的、暫定的及び永続的変更の実施並びに管理のためのプロセスを確立する。
• （ａ）新しい製品、プロセス、又は既存の技術、プロセスの変更で次の事項を含む。
  　―職場の場所及び周りの状況
  　―作業の構成
  　―労働条件
  　―設備
  　―労働力
• （ｂ）法的要求事項及びその他の要求事項の変更
  　事務局は、法的要求事項の改正等変更情報をモニタリングし、伝達する。
  また、顧客等利害関係者からの要求事項の変更に対応し、社内で周知を図る。
• （ｃ）危険源及び労働安全衛生リスクに関する知識又は情報の変化
  　「リスクアセスメント実施要領書」に基づく取り組みにより、危険源の除去→代替→工学的対策/作業構成見直し→管理的対策→個人用保護具の使用へと危険源及び労働安全衛生リスクが除去ないしは低減した、あるいはそれら既存の危険源及びリスクに替わって新たな危険源またはリスクが出現したなどの変化について、継続して取り組みを行うと共に、働く人へこれらの変化した状況を確実に伝達・周知する。
• （ｄ）知識及び技術の発達
  　当社は、意図しない変更によって生じた結果をレビューし、必要に応じて、有害な影響を軽減するための処置を取る。

8.1.4　調達

8.1.4.1　一般

　当社は、調達する製品及びサービスが労働安全衛生マネジメントシステムに適合することを確実にするため、調達を管理するプロセスを確立し、実施し、維持する。

8.1.4.2　請負者

　当社は、次の事項に起因する、危険源を特定すると共に、労働安全衛生リスクを評価し、管理するために調達プロセスを請負者と調整を行う。
• （ａ）当社に影響を与える請負者の活動及び業務
• （ｂ）請負者の働く人に影響を与える当社の活動及び業務
• （ｃ）職場のその他の利害関係者に影響を与える請負者の活動及び業務
　当社は、請負者及びその働く人が、当社の労働安全衛生マネジメントシステム要求事項を満たすことを確実にする。当社の調達プロセスでは、請負者選定に関する労働安全衛生 基準を定めて適用する。

8.1.4.3　外部委託

　当社は、外部委託した機能及びプロセスが発生した場合は、管理されていることを確実にする。当社は、外部委託の取り決めが法的要求事項及びその他の要求事項に整合しており、並びに労働安全衛生マネジメントシステムの意図した成果の達成に適切であることを確実にする。

8.2　緊急事態への準備及び対応

　当社は、6.1.2.1.で特定した、起こり得る緊急事態への準備及び対応のために必要なプロセスを確立して、実施し、維持する。
• （ａ）応急処置の用意を含めた緊急事態に対して計画し、対応を準備する
• （ｂ）準備した計画的な対応に関する教育訓練を行う
• （ｃ）計画的な対応をする能力を維持するため、定期的にテスト及び訓練を実施する
• （ｄ）テスト後、及び、特に緊急事態発生後を含めて、パフォーマンスを評価し、必要に応じて計画的な対応を改訂する
• （ｅ）全ての働く人に、自らの義務及び責任に関わる事項は何であるかの情報を伝達し、提供する
• （ｆ）請負者、来訪者、緊急時対応サービス、及び、必要に応じて地域社会に対し、関連情報を伝達する
• （ｇ）関係する全ての利害関係者のニーズ及び能力を考慮に入れ、必要に応じて、計画的な対応の策定に当たって、利害関係者の関与を確実にする
　当社は、起こり得る緊急事態に対応するためのプロセス及び計画に関する文書化した情報を維持し、保持する。

※関連文書
　緊急時規程（ＫＳ−Ｚ１０８）

9　パフォーマンス評価

9.1　モニタリング、測定、分析及びパフォーマンス評価

9.1.1　一般

　当社は、下記についての手順を定め、モニタリング、測定、分析及びパフォーマンス評価のためのプロセスとして確立し、実施し、維持する。その結果の証拠として、「年度 安全衛生計画」、「年度 部署別 労働安全衛生方針目標展開計画書」に関わる実績を年度末にまとめる。まとめたものはその記録原本をそれぞれにて保管する。
• （ａ）モニタリング及び測定が必要な対象
  • １）法的要求事項及びその他の要求事項の順守の程度
    　　：法規制登録簿（労働安全衛生関連法令の登録簿含む）
  • ２）特定した危険源、リスク及び機会に関わる当社の活動及び運用
    　　：リスクアセスメント実施要領書、機械・設備・作業のリスク評価表
  • ３）当社の労働安全衛生目標達成に向けた進捗
    　　：年度 部署別 労働安全衛生方針目標展開計画書
  • ４）運用及びその他の管理の有効性
    　　：内部監査報告書、マネジメントレビュー議事録
• （ｂ）該当する場合には、有効な結果を確実にするためにモニタリング、測定、分析及びパフォーマンス評価の方法
• （ｃ）当社が労働安全衛生パフォーマンスを評価するための基準
• （ｄ）モニタリング及び測定の実施時期
• （ｅ）モニタリング及び測定の結果の分析、評価及びコミュニケーションの時期
　労働安全衛生管理責任者及び事務局は、労働安全衛生パフォーマンスを評価し、労働安全衛生マネジメントシステムの有効性を判断する。
　該当する部門は、モニタリング及び測定機器が、該当する場合に必ず校正又は検証し、必要に応じ使用し、維持することを確実にする。モニタリング及び測定機器の校正・検証に関し、法的要求事項及び国家規格や国際規格などその他の要求事項がある場合には確実にそれに従い、その保守・校正・検証の記録を保持する。
　各推進者によるモニタリング、測定、分析、及びパフォーマンス評価の結果＝労働安全衛生目標の達成度評価に基づき、マネジメントレビューにおいて労働安全衛生パフォーマンス及び労働安全衛生マネジメントシステムの有効性について、代表取締役社長による評価が可能となるよう、労働安全衛生管理責任者は最終的な達成状況に関する評価をマネジメントレビュー議事録のインプット事項としてまとめる。

9.1.2　順守評価

　当社は、法的要求事項及びその他の要求事項の順守を評価するプロセスを確立し、実施し、維持する。
• （１）法的要求事項の順守
  • （ａ）順守を評価する頻度を年に一度、または法令は改正時に行うこととし、法令の改正は管轄行政のWebサイト、その他の要求事項は事務局から各部門の推進者等へのヒアリングにて行う。
    　法令についてはこれに加え、改正時、「法規制等登録簿」を見直すとともに、順守評価を行う。
  • （ｂ）順守を評価し、必要な場合には処置を行う。
  • （ｃ）法的要求事項及びその他の要求事項の順守状況に関する知識及び理解を維持する。
    　「法規制等登録簿」を更新する。
  • （ｄ）当社は順守評価の結果の証拠として、記録を保持する。
• （２）当社が同意するその他の要求事項の順守
  　当社が同意するその他の要求事項の順守についても、上記の法的要求事項の順守と同様に、評価を行う。

9.2　内部監査

　当社は、労働安全衛生マネジメントシステムが以下の目的に合致しているか否かを検証するために、年に1回以上の内部監査を実施する。
• （１）内部監査の監査事項
  　内部監査では、要求事項を含めて、当社の労働安全衛生マネジメントのために計画された取り決め事項に適合しているか、又、パフォーマンスは向上しているか、順守義務を満たしているか、労働安全衛生目標を達成しているかという観点で監査する。
• （２）報告
  　労働安全衛生管理責任者は、監査の結果を社長に報告する。
• （３）内部監査計画
  　内部監査計画は、当該運用の環境上の重要性、前回の監査結果を考慮に入れて、スケジュールとともに内部監査員が計画・策定し、労働安全衛生管理責任者が承認する。
• （４）内部監査規程
  　「内部監査規程」には、監査の計画及び実施，結果の報告並びにこれらに伴う記録の保持に関する責任、及び要求事項を定める。又、監査基準適用範囲，頻度及び方法の決定も同様である。監査員の選定及び監査の実施においては、監査における客観性及び公平性を確保するため、自部門の監査は行わない。
• （５）手順
  　 　内部監査は、社長が任命した内部監査員が実施する。内部監査員は、監査結果を記録し、記録として保管する。
• （６）関連文書
  　内部監査規程（ＫＳ−Ｚ０１７）

9.3　マネジメントレビュー

　社長は、労働安全衛生マネジメントシステムが、引き続き適切で、妥当で、かつ、有効であることを確実にするために、マネジメントレビューを、年１回以上行う。マネジメントレビューの記録は、労働安全衛生記録として保管する。
• （１）マネジメントレビューのインプット
  　マネジメントレビューへのインプットは、次の事項を含む。
  • （ａ）前回までのマネジメントレビューの結果に対するフォローアップ。
  • （ｂ）以下を含む、労働安全衛生マネジメントシステムに関連する外部及び内部の課題の変化
    • １）利害関係者のニーズ及び期待
    • ２）法的要求事項及びその他の要求事項
    • ３）リスク及び機会
  • （ｃ）労働安全衛生方針及び労働安全衛生目標が達成された度合い
  • （ｄ）次に示す傾向を含めた、労働安全衛生パフォーマンスに関する情報
    • １）インシデント、不適合、是正処置、及び継続的改善
    • ２）モニタリング及び測定の結果
    • ３）法的要求事項及びその他の要求事項の順守評価の結果
    • ４）監査結果
    • ５）働く人の協議及び参加
    • ６）リスク及び機会
  • （ｅ）有効な労働安全衛生マネジメントシステムを維持するための資源の妥当性
  • （ｆ）利害関係者からの関係するコミュニケーション
  • （ｇ）継続的改善の機会
• （２）マネジメントレビューのアウトプット
  　 マネジメントレビューのアウトプットは社長が、決定、指示などの形で次の項目についてもれなく明示する。
  • （ａ）意図した成果を達成するための労働安全衛生マネジメントシステムの継続的な適切性、 妥当性、有効性
  • （ｂ）継続的改善の機会
  • （ｃ）労働安全衛生マネジメントシステムの変更の必要性
  • （ｄ）必要な資源
  • （ｅ）必要な処置
  • （ｆ）労働安全衛生マネジメントシステムとその他の事業プロセスとの統合を改善する機会
  • （ｇ）組織の戦略的な方向性に関する示唆
• （３）関連文書
  　環境・労働安全衛生マネジメントシステム見直し規程

10　改善

10.1　一般

　当社は、労働安全衛生マネジメントシステムの意図した成果を達成するために、改善の機会 を定め、実施する。

10.2　インシデント、不適合及び是正処置

　当社は、報告、調査及び処置を含めた、インシデント及び不適合を決定し、管理するためのプロセスを確立し、実施し、維持する。
　インシデント又は不適合が発生した場合、次の事項を行う。
• （ａ）インシデント又は不適合に遅滞なく対処し、次の事項を行う。
  • （１）そのインシデント又は不適合を管理し、修正するための処置をとる。
  • （２）そのインシデント又は不適合によって起こった結果に対処する。
• （ｂ）そのインシデント又は不適合が再発または他のところで発生しないようにするため、働く人を参加させ、また必要に応じて委託者等を関与させ、次の事項によって、そのインシデント又は不適合の根本原因を除去するための是正処置をとる必要性を評価する。
  • （１）そのインシデントを調査し、又は不適合をレビューする。
  • （２）そのインシデント又は不適合の原因を究明する。
  • （３）類似のインシデントが起きたか、不適合の有無、又はそれが発生する可能性を明確にする。
• （ｃ）必要に応じて、労働安全衛生リスク及びその他のリスクの既存の評価をレビューする。
• （ｄ）管理策の優先順位、及び変更の管理に従い、是正処置を含めた、必要な処置を決定し、実施する。
• （ｅ）処置を実施する前に、新しい又は変化した危険源に関連する労働安全衛生リスクの評価を行う。
• （ｆ）是正処置を含めて、全ての処置の有効性をレビューする。
• （ｇ）必要な場合には、労働安全衛生マネジメントシステムの変更を行う。
　是正処置は、検出されたインシデント又は不適合の持つ影響又は起こり得る影響に応じ、実施する。
　インシデントが起きた場合には、遅滞なく報告すると共に、迅速な調査を行い、出来るだけ速やかな危険源の除去を行い、労働安全衛生リスクの最小化に努める。

　また、次に示す事項の証拠として、記録を保管する。
・インシデント又は不適合の性質、及び取った処置
・取った処置の有効性を含めた、全ての対策及び是正処置の結果

※関連文書
　kintone：労働災害

10.3　継続的改善

　当社は、下記の事項を通じて得られた情報を検討し、労働安全衛生マネジメントシステムの適切性、妥当性及び有効性を継続的に改善する。
• （ａ）労働安全衛生パフォーマンスを向上する。
• （ｂ）労働安全衛生マネジメントシステムを支援する社風・企業文化が育まれることを推進する。
• （ｃ）労働安全衛生マネジメントシステムの継続的改善のための処置の実施に働く人の参加を推進する。
• （ｄ）継続的改善の関連する結果を、働く人に伝達する。
• （ｅ）継続的改善の証拠として、文書化した情報を維持し、保持する。