●バリアー機能
鋼材の表面を亜鉛で覆うことにより、酸素、水分、塩分を遮断し、鋼材の腐食を防ぎます。
●保護皮膜作用
溶融亜鉛めっきは、大気中の酸素などと化学反応を起こし、不働態皮膜を形成し、亜鉛めっきの消耗を低下させます。
●犠牲防食作用
万一めっき皮膜が局部的に欠損し、鋼材の表面が露出しても亜鉛が先に溶け出すことで、鋼材の腐食を防ぐことができます。
留意点
めっきの白錆
めっき表面に、白ぼくの粉が付着したような状態を言います。乾燥状態の下におかれると次第に脱落し、耐食性には影響ありません。白錆を防ぐには、できるだけ表面を濡らさないことが効果的です。また、濡れた場合でも、風通しのよい状態ですみやかに乾燥させると、白錆の発生を抑制できます。
めっきのやけ
「やけ」とは溶融亜鉛めっきの表面が金属亜鉛の光沢がなく、表面が艶消しまたは灰色となったものです。光沢のない部分は、溶融亜鉛めっきの合金層が表面に露出したものです。大気中での耐食性に影響はないことから、密着性に異常がない場合、「やけ」は実用上の障害にはなりません。
めっき前処理液染み出し
溶接部のすきま、製品の突き合わせ部に、茶色の変色が発生する現象です。めっき加工時に製品の溶接部のすきま、突き合わせ部に発生する、めっきが入り込まない隙間など、不めっき部分より発生する錆汁が原因です。茶色に変色した部分は、素地が錆びているのではありません。よって、亜鉛めっきの特徴である犠牲防食の観点から、防食上問題はありません。