プレキャスト側溝用スリットみぞ蓋を選択する際の4つのポイント
1.使用場所に応じた固定方法
使用場所:建物内、建物敷地内、公園 等(公道での使用には適しません)
車両が繰り返し通行する場所に
ボルト固定式
- 六角穴付ボルトで、スリット蓋と枠を固定し、ガタツキを防止します。車両が繰り返し通過してもボルトが緩みにくい構造です。
- ボルトの固定は専用スパナ(別売)を用います。汎用工具での締緩は困難で盗難防止効果があります。
- 固定ボルトの脱落を防ぐクリップ付です。運搬時やスリット蓋開閉時に紛失する心配がありません。

メインバーに切欠きがない構造で、意匠性・安全性を高めています。
固定方法
- @メインバーの方向と専用スパナのグリップ部を平行にして挿入します。
- A専用スパナの先端を、六角穴付ボルトに合わせて挿入し、右へ回してスリット蓋が動かなくなるまで締め付けてください。
- 必ず、蓋敷設後にボルトを締め付けてください。
また、ボルトに緩みが発生していないか、定期的に確認してください。
車両が乗り入れる可能性のある場所に
スライドスクリューロック式
- スリット蓋の裏面にロック金具が付いており、通行時のガタツキや騒音を抑制します。また、蓋の跳ね上がりを防止し、安全性を高めます。
- プラスドライバーでロック金具をスライドして、ねじを締め付けることで、枠の角パイプに固定します。

メインバーに切欠きがない構造で、意匠性・安全性を高めています。
固定方法
- @蓋を枠に載せ、プラスドライバーでねじの頭部が戻り止め突起を超えるまでロック金具を角パイプ方向へスライドさせます。
- Aねじを右へ回すとロック金具が上がり、蓋が枠の角パイプに固定されます。この時、蓋と枠の左右のすきまを調整しながら、蓋が動かなくなるまで締め付けてください。

- 必ず、蓋敷設後にスライドスクリューロックを確実に締め付けてください。
また、ロック金具に緩みが発生していないか、定期的に確認してください。
2.強度基準
スリットみぞ蓋の強度基準は下表のとおりです。
設置場所 |
車種例 |
強度 |
基準・規格 |
後輪1輪 にかかる荷重 |
衝撃係数 |
タイヤ接地面積 (載荷板) |
建物内、建物敷地内、公園内等 |
車両が繰り返し 通行する場所 |
大型トラック バス |
R-5 |
総重量25トン 軸重10トン 輪荷重5トン までの車両の通行が可能
車両制限令 第三条 第1項 |
50.0kN |
横断方向 0.4
縦断方向 0 |
200×500mm |
車両が乗り入れる 可能性のある場所 |
0 |
8トン貨物 ダンプ 消防車 |
T-14 |
総重量14トン までの車両の乗り入れが可能 |
54.9kN |
0 |
200×500mm |
小形乗用車 (2000cc以下) |
T-2 |
総重量2トン までの車両の乗り入れが可能 |
7.8kN |
0 |
200×160mm |
歩道 |
― |
歩行用 |
5.0kN/u
道路橋示方書 歩道等の群集荷重 |
− |
0 |
等分布荷重 |
R-5(輪荷重5トン)について
車種例:大型トラック、バス
強度:R-5(輪荷重5トン)
※車両が頻繁に通行する場所や、フォークリフト等の特殊車両が通行する場所には適しません。
基準・規格による車両の総重量:25トン(25,000kgf)
荷重(後輪1輪にかかる荷重):50.0kN(5トン)
タイヤ接地面積:200×500mm
車両が繰り返し通行する場所には、ボルト固定式を使用してください。
ボルト固定式は横断方向に車両が通過した際の衝撃係数を0.4に定め、強度設計を行っています。(公道での使用には適しません)

車両制限令の一般制限値として、道路を通行する車両の1輪あたりの最大荷重は5トンです。
※車両制限令 第三条 第1項 より
T-14について
車種例:8トン貨物、ダンプ、消防車
強度:T-14
※総重量14トンを超える場合も1輪荷重5トン未満であれば車両の乗り入れが可能です。
※車両が頻繁に通行する場所や、フォークリフト等の特殊車両が通行する場所には適しません。
基準・規格による車両の総重量:14トン(14,000kgf)
荷重(後輪1輪にかかる荷重):
Wt=14,000kgf×0.4
=5,600kgf
=54.9kN
タイヤ接地面積:200×500mm

輪荷重は車両総重量の前輪片側10%、後輪片側40%の割合で荷重がかかるとして強度計算しています。
※一般社団法人 公共建築協会
建築材料・設備機材等本質性能評価事業 グレーチングの試験荷重 より
T-2について
車種例:小形乗用車(2000cc以下)
強度:T-2
※車両が頻繁に通行する場所や、フォークリフト等の特殊車両が通行する場所には適しません。
基準・規格による車両の総重量:2トン(2,000kgf)
荷重(後輪1輪にかかる荷重):
Wt=2,000kgf×0.4
=800kgf
=7.8kN
タイヤ接地面積:200×160mm

輪荷重は車両総重量の前輪片側10%、後輪片側40%の割合で荷重がかかるとして強度計算しています。
※一般社団法人 公共建築協会
建築材料・設備機材等本質性能評価事業 グレーチングの試験荷重 より
歩行用について
強度:歩行用
基準・規格:歩道等の群集荷重
荷重:5.0kN/u(等分布荷重)
荷重条件:等分布荷重
※道路橋示方書2.2.2 活荷重 (3)床板及び床組を設計する場合の活荷重 より
3.スリット幅
スリット幅100mm
(ボーダースリット、バーチカルスリット)
スリット幅が広く、排水能力が高いため、突発的な大雨にも対応できます。
スリット幅60mm
(ボーダースリット、センタースリット、バーチカルスリット)
スリット幅と排水能力のバランスがとれたスリット幅60mm
舗装路面内でのみぞ蓋の存在が目立たず、排水能力も確保しています。
スリット幅24mm
(ボーダースリット)
細く、目立たないスリット幅24mm
商業施設・公共施設・駅等の意匠性を重視する建物周りの舗装空間において、幅広くご使用いただけます。
4.材質・すきま
スリット蓋は、ステンレス製、スチール製、鋳鉄製の3種類を設定。
蓋のすきまは、6mm〜10mmを設定しています。歩行者の通行が多い場所や落葉やゴミの侵入を防ぎたい場合にはすきまの狭いタイプをおすすめします。すきまの広いタイプは、排水性が高く、目詰まりが起こりにくくなります。
ステンレス製スリット蓋
さびに強く、高級感があり、パブリックスペースに美しい表情を与えます。
スチール製スリット蓋
耐久性・コストパフォーマンスに優れます。
鋳鉄製スリット蓋
和洋問わず落ち着きのある空間を演出。ダクタイル鋳鉄製で強度・耐久性に優れます

蓋表面の滑り止め模様は、鋳物素材の質感を活かした梨地模様です。