損傷状態の定義
| 区分 |
状態 |
| 機能保全 |
変形、傾き、隙間などの機能上の支障がない。地震後にも機能を確保しており無補修で継続使用可能。
仕上げのすりキズやシール切れなどの軽微な損傷は可。 |
| 損傷状態1 |
過大な変形、傾き、隙間がない。地震後に調整・補修で継続使用可。
床段差や多少の壁の突出があるが通行に支障はない。 |
| 損傷状態2 |
やや大きな損傷を生じるが、機能を喪失するような損傷はない。大規模な補修または部品の交換で再使用可。
床段差や壁の突出があるが、脱落はなく通行は可能。 |
| 機能喪失 |
脱落や機能を喪失する損傷が生じる。地震後の継続使用に支障をきたす。 |
一般社団法人日本免震構造協会発行「 免震エキスパンションジョイントガイドライン」
第2章 目標性能より抜粋
性能確認試験について
振動台試験
高速加振が可能な振動台により、正弦波加振などを試験体に与え、目標性能を確認する試験です。
免震エキスパンションジョイントの設置は、試験機を免震建物側、試験機外周部分を地盤側(地球側)を基本とします。加振は正弦波加振とするが、地震応答波加振も行うことが望ましいとされています。
振動台試験 試験内容
- 加振内容:正弦波加振
- 加振方向:X方向、Y方向、45度方向、円方向、Z方向
X+Ry方向 、Y+Rx方向 、X+Y+Rx+Ry方向
※回転成分を許容しない製品についてはRx 、Ryは省略可。
- 加振振幅:
@水平方向 原点位置から免震エキスパンションジョイントの設計可動量を振幅として加振する。振動台の可動量が小さい場合には原点(P0)位置だけでなく、オフセットして設計可動量の範囲をカバーできるようにする。
A上下方向 ±5mm〜±10mm程度とし、使用条件を考慮して決定する。
B回転方向 ±1/500 、±1/200 、±1/100 程度とし、製品の設計許容変形角をもとに設定する
- 加振周期(振動数):
@水平方向 4秒、2秒、1秒周期を基本とし振動台の限界性能を考慮し、振幅とセットで設定する。
A上下方向 0.1秒(10Hz)程度とする
B回転方向 水平方向と同時に加振するものとし、水平方向と同じ周期とする。
- 加振速度:
@低速試験 10cm/s〜20cm/s
A高速試験 100cm/s
- 加振回数:10回以上
- 判定基準:
@設計可動量まで変位追従性能が満足され、A種においては機能を損なうような損傷が生じない。B種においては軽微な損傷にとどまること。
A床部免震エキスパンションジョイントにおいては危険な開口が生じない。また、壁部免震エキスパンションジョイントにおいては、人が挟まれるような隙間が生じない。
B有害な残留変形が生じない。
性能確認試験動画
試験体:屋外床用 MX77VTEF-U-M