- ホーム
- エキスパンションジョイントカバー
- 免震エキスパンションジョイント
- 留意点
エキスパンションジョイントカバー
免震エキスパンションジョイント
免震エキスパンションジョイントの留意点
カネソウEXジョイント免震構造建築用は、一般社団法人日本免震構造協会が定める、「免震エキスパンションジョイントガイドライン」に基づいた製品を提供しています。
掲載内容について
本カタログに掲載する、免震エキスパンションジョイントの機構の分類、性能指標の分類、損傷状態の定義、振動台試験内容、加振台試験内容、維持管理と点検の内容については、「免震エキスパンションジョイントガイドライン」から、弊社製品に関係する項目について、抜粋し編集を行ったものです。詳しい内容が必要となる場合は、必ず原本をご覧ください。

一般社団法人 日本免震構造協会
免震エキスパンションジョイントの性能を理解したうえで、
安全性や信頼性が損なわれない配慮が必要です
免震エキスパンションジョイントに求められる重要な性能は、「地震時の強制変位に損傷せず追随し、地震後もその部位の機能を保持できること」と、「地震時の作動中に、免震エキスパンションジョイント周辺にいる人に危害を与えない」という2点です。(注)
(注)一般社団法人日本免震構造協会発行 「免震エキスパンションジョイントガイドライン」第1章 総則 1. 2基本的な考え方より抜粋
免震エキスパンションジョイントは地震時に動くものであり、完全に人への危害を安全に排除することは難しいため、できるだけ免震エキスパンションジョイントの箇所や範囲を少なく計画するとともに、建物使用者や通行人に地震時に動く可能性があることが理解され、その範囲内にはできるだけ近づかず、速やかに通過してもらえるような注意喚起の表示が必要です。
地震時に免震建築物が大きく変位した時、免震エキスパンションジョイントが大きく可動することにより、その相対変位に追従または吸収する構造ですが、その周辺にいる人に危害を与える可能性を伴います。
免震エキスパンションジョイントを床や壁に対してフラットに仕上げた場合、地震時の損傷の可能性が高まるとともに、床面や壁面からのせり上がり、せり出しによる危険性もあります。
設計時には、安全性や信頼性が損なわれない配慮が必要です。例えば、建物外周部は基本的には犬走りタイプ(床部スライド式)とし、出入口のみフラットに仕上げる(床部せり上がり式)などの配慮が望まれます。
危険防止のための表示による注意喚起
人の通行部においては、免震エキスパンションジョイントの可動部の存在が識別できるよう工夫する事により、危険防止につながります。
可動時における注意喚起実施例として、注意喚起を明記した、屋外サインや表示プレートを設置することがあげられます。
屋外サイン設置イメージ
- 注意喚起については、「設計上の留意点」
もご確認ください。
- 屋外サインや表示プレートを取り揃えております。
表示内容例

平成12年 建設省告示第2009号第四の五の規定
「出入口その他の見やすい場所に、免震建築物であることその他必要な事項を表示すること。」
地震時の留意点
地震時に、免震エキスパンションジョイントは可動します。
歩行者や建物使用者に、注意事項を理解していただく必要があります。
床部の場合
床部せり上がり式の場合、地震時に、免震エキスパンションジョイントの本体パネルがせり上がるため、その部分に人が立っていた場合に、脚に本体パネルの先端カバーがあたり、ケガをする恐れがあります。
床部せり上がり式
これに対し、床部スライド式であれば、地震時に、免震エキスパンションジョイントの本体パネルがスライドし、足を払われる可能性はありますが、ケガをするリスクは、床部せり上がり式より低減されます。
床部スライド式
壁部の場合
壁部せり出し式や折れ曲がり式は、地震時に免震エキスパンションジョイントの本体パネルが飛び出してきて、人に衝突する可能性があります。
また、本体パネルと壁のすきまにはさまれて、ケガをする恐れがあります。
壁と本体パネルにすきまが生じない伸縮式を使用することを、お薦めします。
地震が発生した場合、免震エキスパンションジョイントの本体パネルや車両が、損傷する恐れがあります
床部免震エキスパンションジョイントの可動範囲内に車両の駐停車をしないよう、設計時に留意してください。
地震発生時に、車両が通過している場合、あるいはエキスパンションジョイント上や可動範囲内で、車両が駐停車している場合、エキスパンションジョイントが破損したり、車両が損傷する恐れがあります。
また、エキスパンションジョイントが破損すると、避難時の妨げになる可能性があります。

免震エキスパンションジョイントの可動部に駐車した良くない例
エキスパンションジョイント上に車両を駐停車している場合、地震時にエキスパンションジョイントや車両が損傷する恐れがあります。
地震時に、免震エキスパンションジョイントの本体パネル上を車両が通過している場合、本体パネルがせり上がり、エキスパンションジョイントや車両が、損傷する恐れがあります。
設計上の留意点
危険防止のための注意喚起
人の通行部においては、免震エキスパンションジョイントの可動部の存在が識別できるよう工夫する事により、危険防止につながります。
可動時における注意喚起実施例として、下記の事項があげられます。
- 注意喚起を明記した屋外サインや表示プレートを設置する。
- 免震エキスパンションジョイントの可動範囲を、ボーダーラインで表示する。
- 可動部と周囲の舗装材の色を変える。
- 可動部と周囲の舗装材の材料を変える。
「
危険防止のための表示による注意喚起」も
ご確認ください。
注意喚起実施例
仕上材充填タイプの床部免震エキスパンションジョイントについて
充填材料がタイルや石材において、車両等が載った場合に破損しないよう、免震エキスパンションジョイントのたわみ量を考慮して選定、設計してください。
フォークリフト等の特殊車両の通行について
フォークリフト等の特殊車両が通行する場所に、免震エキスパンションジョイントを設置される場合、別途、強度設計が必要です。
フォークリフトの場合は、日本建築学会発行の「建築物荷重指針・同解説」に基づき、前輪一輪に総重量の44%の負担荷重とし、移動荷重として衝撃係数1.5で設計します。フォークリフトで条件が異なる場合や、その他の特殊車両においても、同様の諸条件を提示いただき、弊社までご相談ください。
床部免震エキスパンションジョイントにおいて台車や設備機器等が通行する場合
屋内床において、免震エキスパンションジョイントの本体パネル上を、台車やハンドリフト、病院などにおけるストレッチャーや電動手術台、移動型X線装置、介護施設における移動式浴槽など、設備機器が通過する場合、別途、強度設計が必要です。通過する重量物の総重量、車輪の接地面積、車輪の数量を提示いただき、ご相談ください。
車両の速度について
耐車両強度を有するエキスパンションジョイントカバーは、車両が徐行で通過する条件で設計されています。速度が出やすい場所に設置する場合は、手前に減速帯を設けるなどして車両の速度を低下させる措置を講じてください。
制動(ブレーキ)について
エキスパンションジョイント上での車両の減速または停止は避けてください。特に急ブレーキ操作は、製品に過度な負荷をかけ、破損や変形を引き起こす恐れがあります。
※車両がブレーキをかけながら通過する場所に設置する場合は、事前にご相談ください。
転回(車両の方向転換)について
エキスパンションジョイントは、車両が直進して通過するように設計されています。ハンドルを切りながら車両が通過する場所への設置は避けてください。
※車両がハンドルを切りながら通過する場所にを設置する場合は、事前にご相談ください。
施工時の留意点
仕上材充填タイプの床部免震エキスパンションジョイントについて
本体パネル 仕上材充填タイプの床部免震エキスパンションジョイントは、本体パネルに充填するタイル、石、ブロック等を必ずコンクリート、モルタル、接着材で固定してください。
固定せずに使用すると、充填材の外れが生じたり、地震時に免震エキスパンションジョイント本来の動きが確保できず、損傷する恐れがあります。
本体パネルの取付時に、動きを阻害するシーリングを打たないでください
免震エキスパンションジョイントは、地震時に本体パネルが大きく可動します。このため、本体パネルと壁面や天井面、床面の仕上材とのすきまには、シーリングを打たないよう、注意が必要です。
壁部(外壁・内壁)免震エキスパンションジョイント
<例>外壁
(X方向片側せり出し式・Y方向ヒンジスライド式)
天井部免震エキスパンションジョイント
<例>天井
(X方向固定側せり上がり式・Y方向スライド式)
床部(屋内床・屋外床)免震エキスパンションジョイント
<例>屋内床
(X方向片側のみ込みスライド式・Y方向レールスライド式)