エキスパンションジョイントカバー


建物用エキスパンションジョイント


耐火型Hタイプ<遮熱性能・遮炎性能>・Lタイプ<遮炎性能>


カネソウEXジョイント建物用は耐火型を設定しています。

エキスパンションジョイントカバー内には、建物を貫通するすきま(クリアランス)があるため、防火上、エキスパンションジョイントカバーには耐火性が必要となります。
カネソウEXジョイント建物用耐火型は、エキスパンションジョイント内部に1300℃以上の温度にも耐えられるアルカリアースシリケートウール(AES)製耐火帯をユニット式に装填、建物変位による追従性能を損なうことなく、優れた耐火性能を発揮します。

遮熱性能および遮炎性能に適合

カネソウEXジョイント建物用耐火型Hタイプ・Lタイプは、耐火性能試験を実施し、日本エキスパンションジョイント工業会の「遮熱性能および遮炎性能」(適合証番号:EAJ-防災-3016)と「遮炎性能」(適合証番号:EAJ-防災-3015)に適合しております。

人体に優しい生体溶解性繊維を採用

従来、耐火帯として使用されていたセラミックファイバーは、「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令」により、労働安全衛生法に基づく表示対象物となり、取扱方法の規制を受けるようになりました。
カネソウEXジョイント建物用耐火型は、人の体内で溶解する生体溶解性繊維を採用し、取扱方法の規制を受けない、地球環境と人体に優しい材料を使用しております。


耐火型の選定基準と耐火型が必要となる建築物


建物のエキスパンションジョイント部の耐火性能については、法律上の規定はありません。しかし、「耐火建築物」の法規用件を阻害しないためには、エキスパンションジョイントカバーにも法律に基づいた耐火性能が求められると考えられます。


  • 建築基準法第27条及び61条に定められた「耐火建築物及び準耐火建築物」にエキスパンションジョイントを設ける場合。

    建築基準法第27条
    「耐火建築物等にしなければならない特殊建築物」
    建築基準法第61条
    「防火地域及び準防火地域内の建築物」
  • 建築基準法第26条に定められた「防火壁」にエキスパンションジョイントを設ける場合。

    建築基準法第26条
    「防火壁」


エキスパンションジョイント部に求められる耐火性能

@開口部として
エキスパンションジョイント部に設けられた隙間(クリアランス)は、開口部として位置付けられ、「防火設備」や「特定防火設備」の火炎を有効に遮るための「遮炎性」が求められます。 「防火設備」の遮炎性は、令第109条の2や令第136条の2の3より加熱時間20分間で、加熱面以外に火炎を出さない。性能、特定防火設備」の遮炎性は、令第112条より加熱時間1時間で加熱面以外に火炎を出さない性能がそれぞれ求められています。 なお、「防火設備」では平成12年 告示 第1360号・平成12年 告示 第1366号、「特定防火設備」では平成12年 告示 第1369号においては、「鉄板を設ける…」定めとなっていますが、エキスパンションジョイントは開口部として設けられた隙間が変形し、この変位に追従する性能を有することが求められます。従って、変位に追従するエキスパンションジョイントカバーに「遮炎性」が具備された製品の性能を工業会が基準を定め、この基準に適合した製品(材質:AES、厚さ:12.5mm)を用意しております。

加熱時間:1時間、判定基準:可燃物燃焼温度による。 これをもとに、エキスパンションジョイントカバーに「遮熱性」が具備された製品の性能を工業会が基準を定め、この基準に適合した製品(材質:AES、厚さ:25mm)も用意しています。
A主要構造部として
一方、非構造部材のエキスパンションジョイントカバーが取り付けられる部位は、構造体の壁及び床は令第107条2項「遮熱性」、外壁及び屋根は令第107条3項「遮炎性」が要求されることになります。

【法的基準】
令第107条2項
「壁及び床にあっては、これらに通常の火災による火熱が1時間(非耐力壁である外壁の延焼のおそれのある部分以外の部分にあっては、30分間)加えられた場合に、当該加熱面以外の面(屋内に面するものに限る。)の温度が当該面に接する可燃物が燃焼するおそれのある温度として国土交通大臣が定める温度(以下「可燃物燃焼温度」という。)以上に上昇しないものであること。

令第107条3項
「外壁及び屋根にあっては、これらに屋内において発生する通常の火災による火熱が1時間(非耐力壁である外壁の延焼のおそれのある部分以外の部分及び屋根にあっては、30分間)加えられた場合に、屋外に火炎を出す原因となるき裂その他の損傷を生じないものである こと。



※エキスパンションジョイントカバーは、構造耐力上の影響がないことから、建築基準法施行令第107条2項と3項を満たしていればよいことになります。


耐火帯の仕様

仕様

タイプ 耐火性能 適合証番号 クリアランス カバー材質 耐火帯材質 定尺長さ
Hタイプ 遮熱性能および遮炎性能 EAJ-防災-3016 900mm以下 アルミニウムまたはステンレス アルカリアースシリケートウール25mm厚 2000mm
Lタイプ 遮炎性能 EAJ-防災-3015 900mm以下 アルミニウムまたはステンレス アルカリアースシリケートウール12.5mm厚 2000mm

部品構成

  1. 耐火材
    材質:アルカリアースシリケートウール
  2. フレーム
    材質:溶融亜鉛めっき鋼板
    厚み:1.6mm
  3. クロス
    材質:ガラスクロス
  4. アルミ箔
    材質:アルミニウム
    厚み:20μm

  • 柔軟性があり、建物の変位に追従できる構造です。
  • 取付用フレームと一体構造のユニット式で、取り付けが簡単です。
  • アルミ箔付で、防水性に優れます。
  • 耐火帯の継目部には、固定ピンおよび専用のアルミテープを用意しており、耐火性能を落とすことなく、接続できます。
  • 耐火帯の取付手順についてはこちらをご覧ください。


耐火帯に使用されているアルカリアースシリケートウール(AES)とは、従来耐火帯に使用されていた、セラミックファイバーの代替繊維で、セラミックファイバーの耐火性能をそのままに、人の体内で溶解する生体溶解性繊維で、人体に優しい製品としてご使用いただける、労働安全衛生法に基づく、特定化学物質障害予防規則の法規制対象外の繊維です。


耐火性能試験について

カネソウEXジョイント建物用耐火型Hタイプ・Lタイプは、耐火性能試験により、日本エキスパンションジョイント工業会の定める遮熱性能および遮炎性能、遮炎性能の仕様に適合しております。


日本エキスパンションジョイント工業会


耐火性能試験


「遮熱性能および遮炎性能」 EAJ-防災-3016

試験体
耐火帯(アルカリアースシリケートウール)25mm
試験体外形寸法:高さ3300mm、巾3500mm
エキスパンションジョイント開口部寸法:1800mm×900mm

試験方法
日本エキスパンションジョイント工業会
EJS-301-07(ISO834準拠)による。

試験機関
一般財団法人建材試験センター

性能判定
@遮炎性能
  • 加熱開始後20分間、構造強度上有害と認められる変形・破壊・脱落などの変形を生じ加熱面以外の面に火炎を出さないこと。
  • 加熱開始後60分間、加熱面以外の面に火炎を出さないこと。
A遮熱性能
  • 加熱面以外の面の全体について平均した場合の温度、摂氏140度に初期温度を加えた温度をこえないものとする。
    加熱面以外の面の平均温度≦140℃+初期温度
  • 加熱面以外の面のうちもっとも温度が高い部分の温度、摂氏180度に初期温度を加えた温度をこえないものとする。
    加熱面以外の面の最高温度≦180℃+初期温度


「遮炎性能」 EAJ-防災-3015

試験体
耐火帯(アルカリアースシリケートウール)12.5mm
試験体外形寸法:高さ3300mm、巾3500mm
エキスパンションジョイント開口部寸法:1800mm×900mm

試験方法
日本エキスパンションジョイント工業会
EJS-301-07(ISO834準拠)による。

試験機関
一般財団法人建材試験センター

性能判定
遮炎性能
  • 加熱開始後20分間、構造強度上有害と認められる変形・破壊・脱落などの変形を生じ加熱面以外の面に火炎を出さないこと。
  • 加熱開始後60分間、加熱面以外の面に火炎を出さないこと。